さらなる新春スペシャル企画。
またしても鳥造のお送りする、「江ノ島縁起ノラ散歩」、です!
まずは。
ご存知、江ノ島縁起の伝説。
太古のむかし、鎌倉深沢の湖には、頭が五つある恐ろしい龍が住んでいたという。
戦争、疫病、洪水、山崩れを起す悪行のかぎりを尽くす五頭龍は、しまいに、子どもを食べてしまうようになった。
そんなあるとき、この地に天女が舞いおりた。
天女の姿とともに、天には雲がわきおこり、大地はゆれ、海には砂が吹き上がり、とうとう島になってしまったという。
この島が、江ノ島である。
世にも美しい天女に恋をした五頭龍は、天女との結婚とひきかえに、悪行をやめた。
いま、天女は江ノ島の弁財天として、祀られている。
そして、五頭龍のゆかりは腰越の龍口明神社だ。
天女と五頭龍は、海をへだて、離れ離れに祀られることになったのである。
さて。
五頭龍が住んでいたという、深沢。
現在、地名に「深沢」の文字は消えたが、湘南モノレールに「湘南深沢」の駅がある。
かつての松竹撮影所や大船観音で知られる大船と、江ノ島をむすぶ湘南モノレールの中ほどに位置する、湘南深沢駅。
あたりに湖は、存在しない。
湖はないが、近隣には境川と合流し江ノ島までいたる、柏尾川が流れている。
ウィキペディアによれば…
ここまで南西に向かって流れてきた柏尾川が、寺分川、梶原川、新川、大塚川(殿入川、笛田川、手広川)が合流する付近で西に流路を変えており、当地域がそのカーブの外側にあたることや、上記の各支流が当地域の低地を近接して流れていることなどから、「湖」の根拠とはなりえないものの、水が滞留しやすい土地であったことは確かである。
とある。
はたして。
氾濫しやすい河川だったという柏尾川。
柏尾川そのものが、五頭龍だったのでは。
そんな空想にも遊んでみる。
ウィキペディアに記述のある、“柏尾川が西に流路を変える”地点。
ちょうど古館橋が、かかるあたりだろうか。
鳥造は、この古舘橋の下流で、チズに出会った。
チズとは、横から見ると斑が世界地図のように見えることから鳥造のつけた名前で、「本名」は知らない。
「本名」があるのかどうかも、わからない。
耳の辺りをゴシゴシしてもらうのが好きで、散歩も好き。200メートルぐらいは、必ずついて来る。
ウエットタイプよりカリカリが好物である。
チズとよくいるのが、
教育ママトラ(手前のニャンコ)。
触られるのがあまり好きではない。
目がつりあがっている。
すこし素っ気ない感じ。
でも、それがかえってチャーミングに感じることもある。
五頭龍の名残を、見かけたりするのだろうか。
ふと、虚空を見つめている。
あたかも、そこに何者かがいるかのように。
龍口明神社と江ノ島神社のお守り。
そして、芸能事上達を祈願する、弁財天の琵琶のお守りを手に入れた。