ある日の鳥造(写真)と、寅二郎(文)の会話。
寅二郎●突然だけど、海苔羊羹ってウマいよな。
鳥造●そうだね。江ノ島の
「中村屋」のは羊羹に海の匂いというか、磯の香りがして、けっこう美味しいよね。
寅二郎●江ノ島の島内じゃないけど、江ノ電「江ノ島」駅の近くの
「玉屋」のもウマいよね。
鳥造●ウマいウマい。ところで、こないだの、
「江ノ島 エスカーのアイドル猫 その一」と
「その二」の話だけどさ、「切れ耳」って避妊手術の印なんじゃない?
寅二郎●えっ? あ、そうか…。じゃあ、あの、エスカー乗り場のアイドル猫も避妊手術されてる可能性があるってこと?
鳥造●そうそう。知らなかったの? あと、避妊手術の印でピアスしてる猫もいるよ。
寅二郎●なんとなく、知ってはいたけど、意識してなかった。じゃあ、「切れ耳を愛でてください」とか「切れ耳が萌えポイント」なんて書いてしまったけど、それって、ちょっとヒドかったかなぁ?
鳥造●まあ、べつに、そんなことはないんじゃないか?
寅二郎●いやいや、ヒドいだろ。というか、マト外れな発言だ。
鳥造●そんなに自分を責めるなよ。むしろさ、ノラ猫を無差別に処分したりすることが、ヒドいんであって、「切れ耳」って、猫と人間の共存の象徴なんじゃない? 猫島として平和にやっている江ノ島らしいじゃない。
寅二郎●えーっ。そうか? 思うに、猫を捨てに来るのも人間の勝手、処分するのも人間の勝手、処分するのがかわいそうだから避妊手術するのも人間の勝手だよ。「切れ耳」を印にしようって決めたのも、人間の勝手でしょ。「猫・人間会議」とか開催して「多数決で決定だニャー!」とかいって決まったならわかるけど…。「切れ耳」は人間の勝手の象徴かもしれないよ。
鳥造●でもさ、江ノ島の猫って、普通の街猫にくらべて、のんびりしているし、表情もいいし、幸せそうじゃない。ま、あれだな。岩本楼に保存されてる
『江ノ島縁起』に出てくる五つ頭の龍みたいなもんだな、人間は。
寅二郎●なにそれ?
鳥造●こんど見に行ったら? 弁財天のもとに集まる者は、猫も人も、みんな幸せであってほしいよね。
寅二郎●そうだなぁ。
鳥造●そのあたりでシラスでも食べて帰りますか。
寅二郎●そうするか。