猫の絵本で、ちょっと感動してしまいました。
出たのは数年前の、それほど新しい絵本ではないけれど。
ポテトスープが大好きな猫
作/テリー・ファリッシュ 絵/バリー・ルート 訳/村上春樹
テキサスの田舎でひとり暮らしをしているおじいさんと、仲よく暮らす茶トラニャンコのおはなし。
ネタバレになるので、内容は書かないが、訳者あとがきを読んで、目からウロコ、というか。
絵本に登場する茶トラ、年をとったメス猫なのだが、いわく、
年取った雌猫はだいたいにおいて気むずかしくて、すぐムッと腹を立てるのだけれど、感情が細やかで、(きげんの良いときには)とても心優しくて、深く気持ちを通じ合わせることができます。
さらに、
この本は、年取った雌猫好きの読者のみなさんには(世の中にどれくらいそんな人がいるのかわかりませんが)きっと喜んでいただけるのではないでしょうか。
年取った雌猫。
そんなジャンルがあったとは!
年取った雌猫の性格を、「気難しいけれど感情が細やか」と、ずばり言い切るのもスゴイけれど、「年取った雌猫好き」を読者として意識してるのも、なんとまあ普通ではない、というか、訳者の猫への深い愛を表しているようで、はっとするものがある。
ニャンコの性格は十猫十色。
それは江ノ島に接するようになって、つねに感じる。
だから飽きない。
もちろん、メスとオスの性格の違いはわかるし、若いニャンコと、年老いたニャンコは、見た目も行動も異なる。
ただし。
そんなたくさんのニャンコから、とくに年取った雌猫を味わいぶかい「猫となり」として語る訳者。
ニャンコ好きとしての年季の違いを見せつけられたような気になりませんか。
ニャンコ好き道も、深い。
さて。
江ノ島で、年取った雌猫といえば、彼女でしょうか。
機嫌がわるいとネコパンチもされるけど、仲間のケンカに割ってはいるし、ちょっとハスキーな声だけど、さかんに人に語りかける、三角空地の角っこミケは、まさに「年取った雌猫」の、その感じなんじゃないかなあ。
「そんなに年取ってニャイわよ!」(ミケ)
本人(本猫?)、すいぶんトボケた顔をしてますが^^